ルートの 標高グラフ の読み方
同じ14 kmのルートでも、所要時間に3時間の差が出ることがあります。その答えは標高グラフと、ほとんど誰も見ない縦軸の目盛りにあります。

標高グラフとは、正確には何か
ルートを横から切った断面図です。横軸は歩いた距離、縦軸は海抜高度。グラフの各点は、記録されたトラックの各点の緯度・経度・標高から作られています。それ以上のものではありません。
ほとんど誰も気にしないのに、見ているものを変えてしまう細かな点があります。横軸は距離のこともあれば、時間のこともあるのです。終えたアクティビティを振り返るとき、多くのアプリは時間を横軸にして描きます。すると登りは横に広がり(そこでペースが落ちたからです)、平坦な区間は縮みます。自分の歩きを分析するには便利ですが、計画には誤解を招きます。そのルートを歩くかどうかを決めるときは、必ず距離を横軸にしたグラフを見てください。
このガイドの残りは、グラフの形を信用せず、それに添えられた数字を信用するための方法です。
数字でひとこと
一般的なグループは平地で時速約4 kmで進み、累積獲得標高500〜600 mごとに1時間多く必要とします。14 km、D+ 900 mのルートなら、歩くだけでおよそ5時間、そこに実際の休憩時間が加わります。これは目安であって法則ではありません。地形、暑さ、グループの状況が、どんな計算よりも優先します。
最大の落とし穴:縦軸の目盛り
グラフは、そのルート自体の標高の範囲に合わせて自動的に調整されます。ほぼすべてのプラットフォームがそうしていて、それは理にかなっています。縦軸が常に0〜8,000 mだったら、標高差300 mのルートはただの線に見えて、何も伝わりません。しかし、これには厄介な結果が伴います。
標高620 mから980 mまでのルートを想像してください。縦軸が600〜1,000 mなら、登りはグラフの高さいっぱいを占めて壁のように見えます。縦軸が0〜2,000 mなら、点ひとつ違わない同じ線が、なだらかな丘になります。ルートは変わっていません。変わったのは軸の目盛りです。
比較するときには、問題がさらに大きくなります。異なる2つのルートのサムネイルを並べても、互いに比較することはできません。それぞれに独自の目盛りがあるからです。きつそうに見えるほうが、平坦に見えるほうの半分の標高差しかないこともあります。
ルールは、まず軸の数字を見て、それから形を見ること。縦軸に目盛りが書かれていないグラフは、ただの飾りです。
本当に意味のある3つのデータ
最高地点ではなくD+
山頂 ≠ 労力累積獲得標高とは、途中で下りがあっても、登った分をすべて足し合わせたものです。最高地点が標高900 mのルートでも、短い急登が続けばD+が1,400 mになることがあります。最高地点の標高が問題になるのは寒さ、風、高度順応についてだけで、疲労を決めるのは累積値です。
それぞれの登りの勾配
2 kmで400 m=20%区間ごとに計算します。その登りの標高差を、その登りの距離で割るのです。14 kmに分散した800 mはほとんど気づかないうちに歩けますが、同じ800 mが4 kmに集中していれば、別のルート、別の一日です。D+の合計はこの2つを区別しませんが、勾配は区別します。
登りがどこにあるか
2 km地点 ≠ 12 km地点脚がまだ元気な2 km地点での700 mの登りと、12 km地点での700 mは同じではありません。合計は同じでも、一日の中身はまるで違います。最高地点が全行程の30%の位置にあれば、疲れても安心して帰れます。80%の位置にあれば、脚が疲れ、水も日照時間も残り少ない状態で、いちばんきつい部分を登ることになります。
ノコギリ歯状のグラフは、いつも人を欺く
150 mの登りが5回あると、750 mの登り1回よりも疲れます。そのたびに登り直さなければならず、途中の下りは期待したほど休みにならないからです。グラフ上では小さく、ほとんど飾りのように見えますが、合計すれば壁と同じ750 mのD+になります。
ただし、重要な例外があります。平坦だとわかっている区間でノコギリ歯が続いていたら、それは地形ではなく、GPSのノイズです。高さは受信機が最も苦手とする軸で、累積値は自らの誤差を決して打ち消さない足し算です。詳しくはGPSの累積標高が実際より多く出るのはなぜかで解説しています。
勾配ごとの、実際の歩き心地
| 平均勾配 | 歩いたときの感覚 | 例 |
|---|---|---|
| 5%まで | 気づかないうちに歩ける。会話もできる | 2 kmで100 m |
| 5〜10% | 無理なく続けられる登り | 2.5 kmで200 m |
| 10〜15% | 脚にも会話にも影響が出始める | 2.5 kmで300 m |
| 15〜20% | 歩幅が小さくなり、息を整えるために立ち止まる | 2 kmで400 m |
| 25%超 | もはや歩くのではなく、よじ登る | 1.8 kmで500 m |
これは区間の平均値で、平均はピークを隠します。12%の区間の中に、25%の100 mが含まれていることもあります。だからこそ、形を見るのは数字を読んだあとにすべきで、その逆ではありません。
Suviardではどうしているか
アプリの各ルートには標高グラフが付いていて、私たちのグラフも縦軸を引き伸ばします。ほかのすべてのグラフと同じ理由で、そのルート自体の標高の範囲に合わせるのです。なだらかなルートを平らな線にしてしまわずにこれを避ける、誠実な方法はありません。
その代わりに、グラフの形だけを独り歩きさせないようにしています。グラフの上には、それを読み取れるようにする4つの数字、つまり獲得標高、下りの累積標高、最高標高、最低標高を表示しているので、目盛りを推測する必要はありません。また、表示されるグラフは、そのルートを歩いた人が記録したトラックそのものです。不自然な跳ねが出ないように平滑化はしますが、「あるべき」姿に書き換えることはしません。
プランナーは、同じグラフを出発前に描きます。地図上でルートを引くと実際の道に沿って補正され、その下に標高グラフが表示されます。グループにルートを提案する前に、急登がどこにあるかを確認するのは、ここです。
各ルートの予想時間は、古典的な計算式(距離 ÷ 5 + 標高差 ÷ 600)から算出され、歩いた人の実際の所要時間と並べて表示されます。予想時間がたいてい短めに出る理由は、800 mを登るのに実際どれくらいかかるかで解説しています。
30秒でできる標高グラフの読み方
- 01形より先に、縦軸の数字を読む。グラフの下端から上端までに、どれだけの高さがあるか。目盛りが書かれていなければ、そのグラフは判断材料になりません。
- 02最高地点ではなく、D+を探す。疲労に対応するのはこの数字です。山頂の標高は、どんな服を持っていくかを教えてくれるだけです。
- 03いちばん長い登りを割り算する。その標高差を距離で割ります。平均15%を超えるなら、その区間がルートのほかのすべてを左右します。
- 04その登りが何km地点にあるかを見る。序盤にあれば脚で払い、終盤にあれば、水と日照時間とグループの士気で払うことになります。
- 05最後に目安の計算で締めくくる。距離を時速4 kmで割り、D+ 500〜600 mごとに1時間を足し、実際の休憩時間をきちんと加えます。そして、すでに歩いた人の実際の所要時間と比べましょう。
まとめ
標高グラフはルートの最も正直なデータであり、同時に最も読み違えられるデータです。最初に目に入るのが、軸をどこから始めたかで形が変わる図だからです。形は人を欺きますが、軸の数字、D+、登りの勾配、そしてそれが何km地点にあるかは欺きません。
そして、先の5つよりも大切なルールがひとつあります。標高グラフを読めないルートを、自分が誘った人たちに提案しないこと。距離はグループと相談して決められますが、標高差は交渉できません。
データの扱い方について詳しくは、Suviardについてをご覧ください。